ぼたもち と おはぎ
皆さん、この違いがおわかりになりますか。
ぼたもちとおはぎは、実は同じものですが、季節によって呼び名が変わります。
それぞれ作る季節に違いがあり、その季節の花の名前に由来しています。
ぼたもちは春のお彼岸に食べられていたもので、大きな牡丹の花に見立てたことから、「ぼたんもち」と呼ばれていたものが「ぼたもち」に変わったとも言われています。
一方のおはぎは秋のお彼岸に食べられていたもので、小豆の形状が、秋の七草のひとつである萩の花と似ていることから、「おはぎもち」と呼ばれていたものが「おはぎ」に変わったとされています。
外側を覆うあんこも、ぼたもちはこしあん、おはぎは粒あんという違いがありました。
秋に収穫したばかりの小豆は皮が柔らかく、そのまま皮も潰して食べられるため、食感のアクセントにもなり、秋のおはぎには粒あんが使われていました。
しかし、ぼたもちを作る春には皮が固くなってしまっているため、皮を取り除いたこしあんが使われていました。
形状も、ぼたもちは牡丹の花のように大きめで丸い形。
おはぎは萩の花のように少し小ぶりで細長い俵型のような形状で作られていたとされています。
その後、小豆の品種改良や保存技術が発達したことから、季節を問わず粒あんが作れるようになったため、季節によるあんこの違いはなくなり、形状も店舗によって様々作られているようです。
季節感や行事食を表現するため、あんこを使い分けていた和菓子の繊細さは素晴らしいですね。
昔、母とぼたもちを作ったことがありました。
並べてみると、私が作ったものだけ、ひと回り大きく、あんこも薄目。
所々もち米が顔を出していました。
食べ比べてみると、母の作ったぼたもちはあんこともち米がバランス良くとても美味しかったのですが、私の作ったぼたもちは…
今は亡き母との楽しい思い出です。
今では季節を問わず手にすることができるぼたもちですが、丸型なのか、俵型なのか。
こしあんなのか、粒あんなのか。
他にもずんだやきな粉、黒ごまがまぶしてあるものもありバリエーションも豊富のようです。
食べ比べてみるのも楽しそうですね。
飯能支部 みさお


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