歳時記– category –
-
歳時記
【立冬】冬の始まりと和食の心
朝、窓を開けると冷たく澄んだ空気が頬を撫でる。 ふと吐いた息が白く染まり、ああ、冬が来たのだと実感する季節になりました。 冬の気配が立つ頃 立冬「冬の気配が立つ」と書くこの言葉には、自然界が静かに冬支度を始める様子が表れています。暦の上では... -
歳時記
【霜降(そうこう)】秋深き 隣は何を する人ぞ
二十四節気の「霜降(そうこう)」は、晩秋から初冬へと移り変わるころ。朝晩の冷え込みが増し、草木に霜が降りて白く輝きます。自然界が冬支度を始めるように、私たちの暮らしも少しずつ整える時期を迎えます。 「霜」という字には、“静かに降り積もる”と... -
歳時記
秋分 〜 昼と夜が分かつ季節の節目に寄せて〜
秋分の日は、古来より人々の暮らしと深く結びついてきました。戦前は「秋季皇霊祭」と呼ばれ、宮中で歴代天皇や皇族の霊をまつる祭祀の日。戦後の昭和23(1948)年に「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」国民の祝日として改められ、今も「お彼岸の... -
歳時記
二百十日(にひゃくとおか)に学ぶ、自然と共に生きる知恵と防災への備え
こんにちは。8月30日頃といえば、まだまだ暑い日が続く時期ですが、実はこの時期、昔から日本人が特別に気をつけてきた大切な節目があることをご存知でしょうか。 それが「二百十日」です。 二百十日とは?農家が最も警戒する時期 立春から数えて二百十日... -
歳時記
処暑に思う〜北海道昆布の豊かな歴史と迫りくる危機
夏の終わりを告げる昆布漁の季節 8月23日は二十四節気の「処暑」。文字通り暑さの峠を越す頃とされ、北海道では夏の風物詩である昆布漁がいよいよ終盤を迎えています。早朝の海に響く漁師たちの声、岸辺に並ぶ昆布干し場の風景は、北海道の夏が終わりに近... -
歳時記
立秋とお盆 〜 日本の夏の伝統文化を知る〜
暦の上では秋、でも残暑はこれから 今日は立秋。暦の上では秋の始まりを告げる日ですが、実際にはこれからが残暑の本番となりそうです。多くの方が旧盆の帰省を予定されているこの時期、長時間の移動が予想されます。車内での水分補給を忘れずに、熱中症な... -
歳時記
大暑のこころ 〜失われゆく夏の風情を慈しむ〜
梅雨が明け、一年中で最も暑さの厳しい大暑の時期に入りました。 夏の暑さや気象表現も時代により変わってきているようです。 最近は、「猛暑」という言葉をよく聞きますが、昔は「酷暑」「炎暑」「極暑」こんな表現も言葉もあったようです。ひと昔前まで... -
歳時記
小暑のこころ 〜涼を呼ぶ夏の礼法〜
暦のうえでは、いよいよ夏の暑さが本格的になり始める頃ですが、すでに真夏のような陽気が続いていますね。 そして今日は七夕。 この行事は、中国の「乞巧奠(きっこうでん)」という宮中儀式に由来し、古来より、技芸の習熟を願い静かに祈りを捧げた、宮... -
歳時記
芒種(ぼうしゅ)〜食卓で味わう初夏の恵み
6月5日頃から始まる芒種は、二十四節気の中でも特に「食」の豊かさを感じさせる季節です。「芒(のぎ)」とは、稲や麦の穂先に見える細い毛のような部分のこと。この時期は芒のある穀物の種を蒔く時期であり、同時に初夏の豊かな食材が一斉に旬を迎える季... -
歳時記
小満の季節に思う「麦ごはん」文化の復活
天地に満ちる生命力の季節「小満」 小満という季節をご存知ですか?日の光がぐんと強くなって、すべての生き物が元気よく成長し、天地に生命力が満ち溢れる頃のことです。 また、秋に蒔いた麦の穂がしっかり育って、農家の方々がほっと一安心することから...
