やわらかな風に初夏の気配を感じ始める頃、店先にふっくらとした「緑のさや」が並びます。
淡い緑が目にやさしい、4月から6月が旬の「そらまめ」。
季節の移ろいを、ぜひ食卓でも感じてみて下さい。
空に向かって実る豆に、願いを重ねた昔の人の心
そらまめは、遠く地中海沿岸から日本へ伝わったとされ、古くから親しまれてきました。
さやが空に向かって実ることから「空豆」、さやが蚕ににているから「蚕豆」、又、「五月豆」「夏豆」とも呼ばれ、
・空に向かって実る姿 → 運気上昇
・「まめ」の語呂あわせ → 健康・勤勉
・旬の恵み → 生命力・豊かさへの感謝
という風に、そらまめは「縁起の良い食べ物」として親しまれるようになりました。
そらまめの栄養
たんぱく質や疲労回復に良いビタミンB1,粘膜細胞の保護・再生に役立つビタミンB2、カリウム・鉄・亜鉛・銅などのミネラル類も多く含まれていて、皮には食物繊維も豊富で、体にもやさしい旬の恵みです。
買う時のポイント
・豆は空気に触れると一気に鮮度が落ちやすいのでなるべくさやに入った物を買う
・さやの色が濃い緑色で、ハリと艶がある
・さやの外側から見た豆の大きさがくっきりとそろっている
・白いうぶ毛のようなものが残っている
・そらまめを触った時に弾力があり、重みがある
そらまめ独特の風味を味わいたい時は、6月頃に収穫されるものがおすすめです。
この時期の物は、水分量が減って風味を強く感じられます。
購入したら3日以内に食べるのがお勧め。
すぐに食べない時は、固めにゆでて冷凍保存すると良い。
私のおすすめ料理
シンプルに塩ゆで。
さやごとゆでることで香りが引き立ち、ほくほくとした甘みが口いっぱいに広がります。
私とそらまめ
私にとってそらまめは、世代をつなぐ思い出の味でもあります。
子どもたちには「わらと炭とそらまめ(グリム童話)」のお話を聞かせながら、
孫たちとは「そらまめくんのベッド(絵本童話)」の、ふかふかのさやを一緒にむいた時間。
ころんとした豆を手に取るたび、笑い声が重なります。
何気ないひとときの中に、季節や文化が息づいていることに気づかされます。
食べることは、ただ栄養を摂るだけでなく、心を満たす営みでもあります。
空豆や ふかふかのさやに 声こぼる
旬のそらまめを囲みながら、大切な人と過ごす時間が、また一つやさしい想い出となりますように。
大阪在住 奥元 優結


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