端午節供 〜祈りとともに受け継がれる、初夏の行事〜

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新緑の風に泳ぐ、こいのぼり

新緑がまぶしい季節となりました。
清々しい風を受け、大小さまざまなこいのぼりが、あちらこちらで気持ちよさそうに泳いでいます。

こどもの日と端午の節供

5月5日といえば「こどもの日」として親しまれていますが、
本来は男の子の誕生を祝い、健やかな成長を願う「端午の節供」です。

「こどもの日」は1948年に祝日法で定められ、
男女の区別なく、すべての子どもの幸せを願う日となりました。

また、端午の節供は、季節の変わり目に厄を祓い、無事を願う「五節供」の一つでもあります。

行事食に込められた願い

“柏餅”や歌にもある“ちまき”は、
和食文化ならではの知恵と祈りが息づく行事食です。

柏餅 ― 命をつなぐ願い

柏餅は、日本の風土から生まれた行事菓子です。

新しい葉が出るまで古い葉が落ちない柏の木の性質に、
「家が途切れない」「命が受け継がれていく」という願いを重ね、
端午の節供に食されてきました。

季節の葉で包み、家族で分け合って食べるひととき。
その時間こそが、行事を通して文化を次の世代へ手渡す、
大切な営みなのかもしれません。

ちまき ― 自然の力をいただく

笹や竹の葉で包んだちまきは、
植物の力を借りて邪気を祓い、季節の恵みを体に取り入れるという、
日本人の自然観を映しています。

葉で包み、結び、蒸すという丁寧な手仕事は、
食べものを通して命を守り、願いを託す和食文化の象徴とも言えるでしょう。

空を泳ぐ祈りのかたち

端午の節供の象徴のひとつが、空を泳ぐこいのぼりです。

そして一番上で風を受け、くるくると回りながらたなびくのが「吹き流し」。

吹き流しは筒状の形をしており、風の通り道をつくることで邪気を払い、
清らかな気だけを家や子どもへ導くと考えられてきました。

また、その五色は、東西南北と大地を司る神様を表す「五行思想」に由来し、
鯉たちを導く目印とも言われています。

どんな流れにも負けず、やがて滝をのぼり龍となる——
そんな成長の道を、神様とともに先導する存在なのです。

自然の力に守られながら、
子どもがのびのびと育ちますように。

そんな祈りが、空高く込められています。

季節とともに生きる心

端午の節供は、飾りも食べものも、
その一つひとつに自然への畏敬と家族の祈りが込められた行事です。

今年はぜひ、季節の行事食を味わいながら、
和食文化が大切にしてきた「季節とともに生きる心」にも思いを寄せてみてください。

そして、こいのぼりの一番上で揺れる吹き流しにも、
そっと目を向けてみてはいかがでしょうか。

飯能支部 野崎みさお

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この記事を書いた人

自然豊かな環境に恵まれた飯能の地で、地域の暮らしに息づく和食文化を大切にしながら活動しています。
四季折々の恵みを感じる中で、子どもたちの笑顔に出会える時間を何よりの喜びとし、食を通じた学びの場を育んでいます。

日々の食卓にある和食文化のやさしさや知恵に親しみながら、世代を超えてつながる体験の機会を大切にしています。
地域に根付いた文化を見つめ直し、未来へと手渡していくことを目指しています。

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