春分や秋分を挟んだ一週間を「お彼岸」といいます。
お彼岸の中日は昼と夜の長さが同じになり、季節の区切りを感じる時です。
今年の秋のお彼岸は9月20日~26日です。
目次
彼岸花は飾りだけじゃなかった
今では秋の風景を彩る花として親しまれてる彼岸花ですが、昔は非常時の食物でもありました。
普段は子ども達に「触ると毒にあたる」と触れさせることなく大切に育て、飢饉の時には根を食料にしました。
根には毒がありますが、ていねいに水にさらすと毒が抜けて澱粉がとれます。
食べ物が手に入らない時、人々はこれをお団子にして、命をつないだのです。
美しい花の姿の裏に、人々の知恵とたくましさが隠れていたのですね。
春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」
この時期、日本ではお墓参りをして先祖に感謝をささげる習慣があり、お供え物にも先人の工夫や願いが込められてきました。お彼岸に欠かせないのが、小豆を使った「ぼたもち」や「おはぎ」です。
実はこれ、同じ食べものですが、呼び名や大きさには意味があります。

春のぼたもち
春は大きな牡丹の花に見立てて、丸く大きめに作りました。春は芽吹きの季節。
やがて収穫が見込めるので、「これからは安心して食べられる」と残してきたお米や豆を少し多めに使ったのです。
冬を越した小豆は皮が固くなっているので、裏ごしをしてなめらかな「こしあん」で仕立てました。
秋のおはぎ
秋は萩の花や葉の形に見立てて、小さめに作りました。
収穫を終えた後で食材は豊富にあっても、収穫の無い長い冬を越すために「これからは我慢も必要」と食材を蓄えておきました。
収穫したての豆は柔らかいので、そのまま「つぶあん」にしました。
飽食の時代に暮らす私たちも、このような習慣を通して「いただく」ことのありがたさを改めて考えることができます。
この秋、「おはぎ」を食す時には、昔の人の知恵も味わってみませんか。
神奈川県在住 勢津子


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