一日を整える、朝の食卓

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しっかりいい朝食の日に寄せて

「あさごはんを食べよう」

この言葉、どこで区切るかによって、
思い浮かぶ食卓の風景が少し変わってくるように感じます。

「朝ご飯を食べよう」でしょうか。
それとも「朝、ご飯を食べよう」でしょうか。

「朝ご飯」とひとつの言葉でとらえるのか、
「朝、ご飯」と分けて考えるのか。

その違いだけで、
思い描く食卓の姿が、どこか変わってくるように思うのです。

私は、子どもたちのことを考えると、
「朝、ご飯を食べよう」と伝えたいと思っています。

朝、しっかりとお米をいただくことは、
脳への大切なエネルギー補給にもつながります。

だからこそ、子どもたちには、
日々の中で自然とご飯に親しんでほしいと考えていました。

ご飯のある朝という選択

「朝ご飯」と考えると、
パンやシリアルなど、さまざまな選択肢があります。

けれど「朝、ご飯を食べよう」と少し区切ってみると、
そこには、日本の食文化が大切にしてきた食卓の姿が見えてくるように感じます。

温かいご飯と、湯気の立つ味噌汁。
それだけでも、心がふっと落ち着く時間が生まれます。

特別なものでなくても、
整った形でいただくことで、自然と一日が整っていく。

我が家の「おにぎりアイス」

子育てをしていた頃、
おやつに「おにぎりアイス」を作ることがありました。

コーンカップの上に、アイスクリームディッシャーで丸めた味噌おにぎり。
見た目はまるでアイスのようですが、れっきとしたご飯です。

「おやつは、お菓子だけではないのよ」
そう言いながら、子どもたちに手渡していました。

幼稚園のお友達にも好評で、
子どもたちは楽しみながら、自然とご飯を食べてくれていました。

実はこの「おにぎりアイス」、
少し工夫から生まれたものでした。

味噌おにぎりは、私自身がよく食べていたので、
子どもにも食べさせたいと思い、何度か作ってみたのですが、
どうしても手に味噌がついて、ベタベタになってしまいます。

何とか、汚れずにきれいに食べられる方法はないかと考えた末に、
たどり着いたのが、この形でした。

コーンの部分を持てば、手も汚れません。

ただ、ひとつだけ小さなポイントがあります。
冷やご飯で作るとポロポロになってしまうため、
温かいうちに丸めておくこと。

そんなささやかな工夫も、
今となっては懐かしい思い出のひとつです。

先日、久しぶりに孫のために作ってみました。
私の昼食から少し取り分けて、ちらし寿司をコーンカップにのせて手渡すと——

一口パクリ。

「アイスじゃない」

そう言いながら、錦糸卵をつまんで食べていました。

その様子を見ていた娘が、
「懐かしいね〜。よく食べてたよね」と、ぽつり。

一日のはじまりに

4月11日は「しっかりいい朝食の日」。

慌ただしい毎日の中でも、
ほんの少しだけ、自分のために朝の時間を整えてみる。

そんな小さな習慣が、
一日をやさしく支えてくれることでしょう。

横浜市在住 平沼 芳彩

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この記事を書いた人

平沼 芳彩のアバター 平沼 芳彩 箸文化研究家・礼法講師・和食文化継承リーダー

お箸は、自然の恵みを私たちの心と身体へと橋渡しする、命をつなぐ大切な道具です。

そして和食は、
四季の移ろいとともに自然を敬い、
感謝し、分かち合う日本人の暮らしそのもの。

一椀の味噌汁、一膳のごはん。
日々の食卓に宿る祈りや願いを、
次の世代へと手渡していくこと。
それが私の大切にしている志です。

歳時記や二十四節気をひもときながら、和食に込められた意味や所作、箸にまつわる知恵を、子どもから大人までわかりやすくお伝えしています。
発酵文化や年中行事、箸文化を通して、日本の暮らしに息づく美意識と心を未来へつなぐ活動を続けています。

2018年「かながわシニアビジネスグランプリ」ベストプラン賞受賞。
NPO法人みんなのお箸プロジェクト副理事長として、7,000人を超える子どもや保育者への指導を行う。
『発達に合わせて伝える 子どものための食事マナー』監修。
NHK Eテレ、フジテレビ、ラジオなどメディア出演多数。新聞・雑誌・Web掲載。

一膳の箸から始まる、和食文化の継承。
日々の食卓を、未来への贈り物に。

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